Founder

満倉 靖恵

Yasue Mitsukura
  • Founder & CEO, IKIジャパン株式会社 / IKI Inc.
  • 慶應義塾大学 理工学部 教授
  • 藤田医科大学 客員教授
  • 台湾国立大学 医学部 客員教授
  • 日本学術会議 連携会員
  • 博士(工学)/博士(医学)
Yasue Mitsukura — Founder & CEO, IKI Japan Inc.
Profile

研究キャリア開始後、岡山大学、東京大学などを経て2011年に慶應義塾大学 に着任。現職に至る。

専門は信号処理学、感性工学、生体情報解析、内分泌バイオマーカー構築、循環ホルモン動態解析など、工学と医学を完全に融合した学際的研究。特に、脳波や脈波といった外乱の影響を受けやすい生体信号を高精度かつリアルタイムに解析するノイズ除去アルゴリズムを独自に開発し(特許取得済み)、その基盤技術をもとに、感情、睡眠ステージ、血圧、循環ホルモン動態、軽度認知障害(MCI)の早期兆候推定など、多岐にわたる研究を展開している(特許取得済み)。

さらに、顔画像から非接触で脈波を取得し、さまざまな疾患の予兆を高精度に推定する世界初の技術を開発し、関連特許を取得。研究成果は国内外の多数の学術誌に掲載されるとともに、世界初のリアルタイム感情取得装置をはじめ、多くの独創的な技術・発明を創出してきた。

これらの研究成果を社会実装し、人々の健康とウェルビーイングの向上に貢献することを目的として、2024年にIKIジャパン株式会社を設立。アカデミアと産業界をつなぐ研究開発を推進している。

Founder's Letter

なぜ、IKIを立ち上げたのか

身体は、絶えず信号を発している。脳波、脈波、表情の微細な変化、声のゆらぎ、ホルモンの動態。しかしそれらの信号は極めて微弱で、日常のノイズに容易にかき消されてしまう。

私は研究者として、20年以上にわたり、この微弱な信号を計測の現場で精度高く取り出す方法を探求してきました。生体信号を扱ううえで最大の壁は、常に「ノイズ」です。センサーの装着位置、室内照明、皮膚の状態、呼吸、感情のゆらぎ ── そのすべてが信号に混入します。1997年に最初の特許として結実したリアルタイム・ノイズ除去アルゴリズムは、その壁を越えるための最初の足がかりでした。この基盤の上に、感性、睡眠、循環、ホルモン、発話、認知症の早期兆候など、人の状態を読み取る技術を一つずつ積み上げてきました。

研究成果は論文という形で世に出てきました。一方で、ヘルスケアの現場、産業の現場、生活の現場での実装は、必ずしも十分には進んでいません。論文と実装のあいだには、深い隔たりがあります。

IKIは、その隔たりを越えるために設立した会社です。研究と社会のあいだに、確かな橋をかけたい。データの取り扱いの作法、被験者への誠実さ、医療領域での慎重さを保ったうえで、人々が日々の生活のなかで自身の身体の状態をもう少し把握できるようにする ── そのための研究、製品、エコシステムを、東京と海外法人の二拠点から構築していきます。

人は、測れるものしか目指せない。だからこそ、これまで測れなかった幸福や感性まで測れるようにすることが、世界の豊かさのとらえ方そのものを変えていくと、私は信じています。身体のなかには、まだ読み解かれていない信号がある。私たちは、それを誰もが手にできるかたちに変えていきます。

満倉 靖恵
Founder & CEO, IKIジャパン株式会社
研究について話す  →